Motorsport
新型コロナウイルスの影響により、予定されていたレースの延期や中止に関するニュースが相次いだ2021年の夏。RECARO RACING TEAMが3人のプロドライバーを擁して参戦するTOYOTA GAZOO 86/BRZレースもそのひとつ。8月に予定されていた十勝スピードウェイ でのレースが10月末に延期。9月に予定されていた鈴鹿サーキットでのレースが中止となった。そんな中、2021年7月のスポーツランド菅生で本レースでのデビューを果たしたRECARO BRZ DLに乗る909号車の小暮卓史選手とRECARO RACING TEAMは、幾度となく岡山国際サーキットを訪れ、テスト走行を繰り返した。
経験豊富なベテランドライバーから、国内モータースポーツのトップカテゴリーで活躍する現役の若手ドライバーまで、強豪ひしめきく日本国内でもっとも過酷なワンメイクレースのプロクラス。ナンバー付き車両のなんでもない市販車ベースのマシンで、想像を遙かに凌ぐタイムを叩き出すプロドライバー達。かつてフォーミュラやスーパーGT500で日本の頂点を何度も極めた実績をもつ小暮卓史選手であっても、このワンメイクレース特有の走り方を身につける必要がある。言わば、小暮卓史選手だからこそ、これまでの常識とまったく異なる走りをしなければならないことに対して、障害となることが多い。その理屈を頭で理解して、身体で覚えて、これしかないという、とんでもない領域でのドライビングを、ほんのわずかなミスもせずに、まとめきらなければ刻めないタイムへの挑戦である。
小暮選手とRECARO RACING TEAMは、細分化した課題をひとつひとつ設定。小暮選手がそのひとつひとつを確実にクリアしていく。小暮選手はやはり超一流のドライバー。そのプロセスとアプローチにチームスタッフも今までに感じたことのない高揚感を覚える。これだけの経験と実績をもつプロドライバーと共にドライビング技術を研ぎ澄ましていくテストは最高に楽しい。チームが目指すのはもっと先にある。もっと高い位置にある。
まずは、2021年10月の岡山。ここで小暮卓史選手がまたひとつ扉を開く。