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Motorsport

2023年11月25-26日。富士スピードウェイにて開催されたTOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup 2023 シーズンの最終戦。RECARO RACING TEAMは、プロクラス909号車の小暮卓史選手とクラブマン270号車の江原聖洋選手の2台体制で挑んだ。結果、小暮選手は24位。江原選手は31位。チームとしては苦悶のトンネルを抜け出すことのないまま2023年シーズンの終焉を迎えた。

2019年に発足したRECARO RACING TEAM。5年目のシーズンは、これまで求め続けてきた最高のチーム環境でスタートすることができた。909号車は小暮卓史選手。270号車と315号車は、2019年の発足以来、共にこのレースを戦い続けきたジェントルマンドライバーの江原選手と舩井選手。2021年より献身的にチームを支え続けてくれるパートナー企業の富士スバル。今年で2年目となる愛知工業大学の学生たち。そして荒木・棚橋というワンメイクレースを知り尽くしたプロのメカニック。最高のスタッフで結成されたチームだった。

天台宗の開祖・最澄の言葉に「一隅を照らす」というのがある。「一隅を照らす、これすなわち国宝なり」という言葉だ。一隅とは、片すみや自分のいる場所。一人ひとりが自分のいる場所で一隅を照らしていくことこそ、私たちの本来の役目であり、それが積み重なることで世の中がよくなるという意味を表現している。2023年のRECARO RACING TEAMは、まさに「一隅を照らす」そのものであった。開幕戦の菅生大会から最終戦の富士大会まで、参加したすべてのスタッフが、あますことなく「ひとりひとり」ができることを、チームのために、このレースで良い結果を出すために、一隅を照らし続けてくれた。

シーズン途中、苦しみも悔しさも枯れ果てた瞬間が何度も訪れた。前を向いて進み続けることがこんなに辛いものなのかと刃となって胸に突き刺さった。このメンバーでも勝つことができない。この環境でも勝つことが叶わない。答えのないまま、次のレースが始まる。その繰り返しだった。それでもここで終わるわけにはいかない。あの小暮卓史が「なんとかしたい」という言葉を何度も口にした。フォーミュラやスーパーGTのカテゴリーで何度も頂点を極めた小暮卓史が「なんとかしたい」というのだ。短くも重い言葉であった。なんとかするしか道はない。けしてあきらめない。ただそれだけだ。

モータースポーツの厳しさとは、目の前に「結果」を突きつけられることであろう。努力と結果はイコールではない。それでも努力なくして結果が生まれることもない。大切なのはあきらめないこと。結果を求めて心ひとつにあきらめずに成長し続けること。そしてモータースポーツの素晴らしさは、同じ目標に向かって全員の心がひとつになれることなのかもしれない。

RECARO RACING TEAMは、モータースポーツの分野における「強いブランドづくり」を目指している。チームで戦う真摯な姿。難しいことに努力を重ね挑戦し続けるその姿。あきらめない姿。多くの方々に信頼されるブランドとなれるようRECARO RACING TEAMは、RECAROのDNAを継承してゆく。

<RECARO RACING TEAMスタッフ>
2023年シーズン。多大なるご支援・ご指導いただきました関係者の皆様に心より感謝申し上げます。
来たる2024年シーズン。素晴らしいチームスタッフと共に良い結果をご報告できるよう精進してまいります。
最後に愛知工業大学の学生らがチームのために強い想いで企画・制作した動画を是非ご覧ください。


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