Motorsport
RECARO RACING TEAMの2025年シーズンが開幕。2025年4月6日の日曜日。大分県のオートポリスにてTOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cupの開幕戦が開催されました。
RECARO RACING TEAMは、同レースのプロフェッショナルシリーズ(プロクラス)へ2台のSUBARU BRZでエントリー。906号車に近藤翼選手。909号車に小暮卓史選手。国内屈指のプロドライバー2名を起用して開幕戦に臨んだ。今年のRECARO RACING TEAMは、SUBARU正規ディーラーの富士スバル(本社 群馬県太田市)とのパートナーシップを継続するとともに、さらにこの体制を強化すべく、富士スバルのメカニックスタッフ6名をチームの中心に据えて、レースウィークを運営した。過去の参加経験はあるものの、プロのメカニックなしで運営するのは初となる。そのため、チームは、開幕戦の前週に富士スピードウェイにて新たなチーム体制での運営方法を確立すべくテストを実施した。最も重視したのは、チームのコミュニケーションを強化すべく、走行前と走行後のチームミーティングを徹底し、走行1本の目的と内容、セッティングの方向性、ドライバーのフィードバックなどをつぶさに話し合いチーム全員で共有しながら進めていくことを始めた。このチームの新たなフォーマットは、そのまま開幕戦オートポリスでのレースウィークでも徹底的に継続実施を行なった。これまで形骸化されつつあったラップチャートも見直し、本当に必要なもの。チームスタッフとドライバーの意志をバトンリレーのように繋いでいく大切な情報源として活用するように改善した。これによってチームスタッフ全員が、ドライバーの意志を、ドライバーが感じたものを、正しく理解し、チームとして今何をすべきか、ということを明確に共有することができるようになった。
富士のテストで詰め切ったセッティングの方向性をオートポリスのレースウィークに持ち込み、そこをベースに開幕戦に臨んだ。レースウィークに入って、走行を重ねていく中で、気温や路面状況の変化によって、ドライバーのマシンに対する要求も大きく変化する場面があった。それでも誰一人迷子になることもなく、チーム全員が同じ方向を向いてセッティングを詰めていくことができた。その結果、レース前日の専有走行やレース当日の予選に向けて、ドライバーもチームスタッフもマシンのセッティングに確かな手応えがあった。906号車の近藤翼選手は、昨年からチームに加入したため、RECARO RACIING TEAMのマシンを掴みきれておらず、状況の変化に対応するセッティングの引き出しが不足していた。しかし、この富士テストからオートポリスのレースウィークを通じて、確実に進化を遂げた。909号車の小暮卓史選手も、昨年まではマシンのセッティングに苦悩したことも多々あったが、開幕戦オートポリスでのレースウィークでは終始マシンのバランスの良さとセッティングの方向性に手応えを感じていた。RECARO RACING TEAMが発足して7年目。ようやくこの過酷なワンメイクレースで戦う準備ができたと実感した瞬間であった。
開幕戦オートポリスでは、昨年までのDUNLOPタイヤの強さは継続するも、新たに投入されたBRIDGESTONEタイヤも同等の強さを見せた。結果、DUNLOP勢とBRIDGESTONE勢がひしめく混戦となった。906号車の近藤選手も予選のアタックでコースレコードを出す速さを見せたが、トップから12台がコースレコードを叩き出すという結果に煽られ、予選11番手と沈んだ。909号車の小暮選手に至っては、トップから1秒差の23番手と苦しいスタートとなった。決勝レースでは、906号車の近藤選手がひとつ順位をあげて何とかポイント獲得圏内に滑り込んだ。
結果だけを見れば、非常に厳しい内容であった。しかしながら新しいチーム体制で臨んだRECARO RACING TEAMは、もっと上を目指すことができる兆しが確実に見られた。近藤翼選手。小暮卓史選手。そして富士スバルのメカニック。メーカーSUBARUからの派遣メカニック。素晴らしいチームスタッフとともに次戦へ向けて進み続ける。