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Motorsport

GR86/BRZ Cup 2023年の開幕戦。スポーツランド菅生戦のエントリーリストが公開された。ジェントルマンドライバーやトヨタ系ディーラーが多いクラブマンクラスで41台。国内屈指のプロドライバーが参戦するプロクラスで33台。昨年2022年の菅生大会と比べて、それほど参加台数に変化があるわけではない。ただ何か物足りなさを強烈に感じる。

TOYOTA GAZOO Racingが主催するこの国内で最も厳しいと言われるワンメイクレース「TGR GR86/BRZ Cup」。その理由は、出場選手の豊富な顔ぶれにあった。ジュニアからトップカテゴリーを目指す新人や若手のドライバー。無名ながらこのワンメイクレースを極めた職人ドライバー。SUPER GT500やフォーミュラで活躍する国内トップのプロドライバー。トップカテゴリーを退きながら現役を続ける経験豊富なベテランドライバー。世代を超えた多くのプロドライバーが顔をそろえていたというのが、このレースの絶対的なレベルの底上げを果たしていた。

象徴的なのは、織戸学選手や谷口信輝選手。そのふたりのドライバーの名前がエントリーリストにはない。開幕戦だけを見れば、宮田莉朋選手や坪井翔選手、中山雄一選手らの名前もない。このワンメイクレースで優勝権のある坂口良平選手、近藤翼選手、水谷大介選手などの名前もない。何を意味するのか。このワンメイクレースの役割が変わりつつあるのか。これまでも出場するプロドライバーの入れ替わりは多くあった。それでも何か、今までとは違うものを感じるのはなぜだろう。eモータースポーツなどを経て、鮮烈にプロドライバーへと駆け上った選手などもいる。クラブマンからプロクラスへ新たに挑戦するドライバーもいる。圧倒的な強さを誇る菅波冬悟選手もいる。脇阪寿一選手や小暮卓史選手もいる。ものすごい顔ぶれであることは、今なお変わりない。ただ何か変わり目のようなものを感じる。

競技車両が、新型GR86になり、レース名称も86/BRZ RaceからGR86/BRZ Cupに変わった。大会名称にBRZの文字はあるが、参加台数やトヨタ系ディーラーの参加数を見れば、明らかにTOYOTAおよびGR86のためのワンメイクレースであることは間違いない。最近では、プロドライバーがレースをする競技車両としてナンバー付きにこだわるのは却って危険であるという声もある。スピードリミッターも外さなければ、競技車両同士の接触も少なくならないという。昨年よりサスペンションやマフラーなどを認定部品に交換しても良いとレギュレーションは変更されたが、交換して良い部品の選定とレースに掛かる膨大な費用に対して、むしろ疑問な点が増えている。

参加型モータースポーツとして、これほど素晴らしいフォーマットはないだろう。トヨタ系のディーラーにとってみれば、人材育成や企業イメージの向上にもつながる。企業としてモータースポーツの世界を大切に想う姿勢は、そこで働く従業員として会社に誇りを持つことさえできるであろう。TOYOTA GAZOO Racingは、まさに素晴らしい機会を提供してくれている。
だからこそ、このワンメイクレースをもっと大切にしなければならない。主催する側も、参加する側も、このワンメイクレースがこれからもっと素晴らしいものになっていく努力をしなければならない。

また多くのプロドライバーやジェントルマンドライバーが戻ってくることを期待したい。


TGR GR86/BRZ Cup レース情報 https://toyotagazooracing.com/jp/86brz/


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