Motorsport
2023年のRECARO RACING TEAMは、小暮卓史選手と共にTGR86/BRZ Cupに挑む。
RECARO RACING TEAMの発足以降、チームは常に複数のプロドライバーとレース活動を行なってきた。チームが参戦する86/BRZ Cup(旧86/BRZ Race)は、市販車ベースのナンバー付き車両をマシンとするワンメイクレースである。一般的なレーシングマシンとは異なり、ドライバーが感じ取ることのできるマシンの挙動や収集できるデータが少ないため、複数のマシンを走らせて、チーム内で共有できる方が良いと考えてきた。ゆえに2019年は2台。2020年〜2021年は3台。さらに2022年は4台のマシンを連ねた。
しかし、小暮卓史という超一流のドライバーは、その常識を見事に覆した。かつてミスターGTと称される脇阪寿一選手に「GT500で戦ってきたプロドライバーは、やはり他のプロライバーとも違いますか?」と質問したところ「別格です。ドライバーとしてもひとりの人間としても。それはレースをする環境が明らかに他のカテゴリーとは違うからです」と即答であった。
その言葉どおり、小暮卓史というドライバーは、明らかに異次元の思考であった。超一流の思考であった。ドライバーとしても人としても。小暮選手と共にレース活動をすることで、誰かと比較するとかではなく、ドライバーとメカがこのクルマを如何に速く走らせるかどうか、その1点にチームがひとつになった。これまでは、マシンのセットやマシンの状態など複雑にやりとりすることが多かったチームの流れが、明らかに変化した。というのも小暮選手の基本的なドライビング技術の高さ、引き出しの多さ、マシンの動きを感じるセンサーの精度の高さ、すべてが超一流の異次元であったからだ。やるべきことをやる。できないということはない。他ができるなら自分にできないはずはない。言い訳は一切しない。そんな小暮選手の思考に、プロのメカニックらは呼応する。このドライバーと一緒にレースがしたい。このドライバーに勝ってほしい。気持ちを込めてマシンの走行準備に全力を注ぐ。
プロが戦うレースは、最後は気持ちである。どれだけチームがひとつになって、最低限の会話で、それぞれがプロの役割を果たし、最良の選択・準備をすることができるか。その素晴らしさ、その大切さを、小暮卓史選手は、チームにその姿勢で見せてくれた。ゆえに今年2023年は、小暮卓史選手ひとりに集中してレース活動に邁進する。理想のチームがようやくできあがった。
小暮選手は、純粋にクルマが好きである。レースが好きである。国内モータースポーツの頂点を極めた超一流のプロドライバーが、このワンメイクレースに若かりし頃と同じ熱量の闘志で挑んでいる。
超一流の小暮選手と共にレースができること。チーム全員が小暮選手のためにひとつになること。「ずっとこれがやりたかった」誰もがそう感じている。
RECARO RACING TEAMは、小暮卓史選手と共に過酷なワンメイクレースに挑戦する。