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Motorsport

群馬県前橋市に本社のある富士スバル。群馬県内に16の新車拠点をもつスバル車の販売会社である。スバル・360が発売開始となった1958年よりスバル車の販売を開始した。その富士スバルがもつサービスおよび部品の拠点が前橋市泉沢にある。富士スバルのサービス・部品センターは、各拠点の優秀なメカニックに対してより高い技術伝承を行う役割を担うスタッフが従事している。

富士スバルは、これまでメーカーSUBARUが推奨する全国サービススタッフ向け人材開発支援プログラムの他に、地元ラリーチームのARAI MOTORSPORTへ優秀なメカニックを独自に派遣し続けてきた。さらに2021年よりTOYOTAが主催するTOYOTA GAZOO RACING 86/BRZ Cupに参戦するRECARO RACING TEAMと共に独自のモータースポーツ活動を開始した。

RECARO RACING TEAMとパートナー契約を締結した2021年は、RECARO RACING TEAMが所有する複数のレースマシンのうち1台のみを保管し、レース前の整備点検をスタートするところから始まった。レース現場でもRECARO RACING TEAMのレースメカニックをサポートするメカニックを派遣した。とはいえ、レース現場での作業は、店舗での環境や手順と異なっている。そのためプロのレースメカニックの指示を受けて作業するに留まった。翌2022年、富士スバルの経営陣および現場スタッフは、もっとチームの核となり、指示されて動くのではなく、自ら考え、行動し、責任をもつまでの役割を求めた。そのため、チームが所有するレース車両5台を作り上げるところから、レース車両のすべての整備メンテナンス、レース車両特有のアライメント調整に至るところまで、責任をもって担う役割を買って出た。レース車両のすべてを知り、関与することで、レース現場でも富士スバルのスタッフのみで回すことが容易となった。その意識の高さ、取り組む姿勢が、社内の各販売拠点の理解・協力を促し、このワンメイクレースへの活動がオール富士スバルとして広まっていった。この富士スバルの活動が、千葉スバルや東京スバルら、他の販売会社へ大きな影響を与えるまでに至った。

2023年、富士スバルの進化は止まらない。ただレースマシンを整備メンテナンスするのではなく、86/BRZ Cupプロクラスで勝てるレースマシンを作り上げるために、より良い状態でレース前の車両整備をするために、チームが、ドライバーが、プロのメカニックが何を考え、何のために、どんな作業をするのか、そのすべてを理解しようと、サービス・部品部の管理監督者(伊能氏)みずからオフシーズンの全テストに参加することになった。伊能氏は、テスト現場でドライバーやプロのレースメカニックと積極的にコミュニケーションを図り、時には車両技術に関するアドバイスも提供した。

なぜ富士スバルは、自動車メーカーSUBARUが企画するレース現場へのメカニック派遣プログラムではなく、自らRECARO RACING TEAMをサポートする道を選択したのか。会社にとっても、各店舗にとっても、現場スタッフにとっても、明らかにその負担は大きい。なぜ?

富士スバルグループの企業理念「三つの誓い」のひとつめに「私たちは自らの手で「働く環境」を創り出します」という言葉がある。
まさにこの言葉どおりである。経営陣、管理職、そして現場スタッフ、富士スバルで働く、すべての「人」の中に、自ら働く環境を創り出すDNAが根付いているのではないだろうか。

2023年、RECARO RACING TEAMのドライバーは、国内モータースポーツの頂点を極めた経験をもつ小暮卓史選手である。SUPER GT500の名門チームで長年エースドライバーとして君臨した小暮選手である。SUPER GT500を経験したドライバーは、同じプロドライバーの肩書きをもつドライバーの中でもまったくの別格である。富士スバルは、今年その小暮選手の戦いをサポートする。自ら選択したRECARO RACING TEAMと共に、小暮選手と共に、ワンメイクレースの頂点を目指す。

富士スバル ホームページ :https://www.fujisubaru.co.jp/


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