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Motorsport

2023年3月新城ラリー2023。RECARO RALLY TEAMから全日本ラリー選手権へデビューを果たした木内秀柾選手(きうちしゅうま)。この春、高校を卒業したばかりのフレッシュなドライバーだ。

ジムカーナ経験もあるクルマ好きの父親に影響を受け、5歳でカートをはじめた。中学では陸上部。高校では自転車部に所属するなど、体幹や体を鍛えるスポーツにも取り組んだ。結果、国内カートレースの最高峰「全日本カート選手権 OK部門」で活躍することもできた。カート時代には、タイヤメーカーの開発にも携わるという経験も積んだ。本来なら、そのままレースの世界でより大きな舞台を目指すはずであった。しかし世界の舞台で活躍するWRCドライバー勝田貴元選手の姿を見た木内選手は、「自分も世界で活躍できるラリードライバーになりたい」という夢を描くことになった。その「ラリーで世界を目指したい」という木内選手の話を聞いた日本のトップラリードライバー奴田原文雄選手は、自身が運営するNUTAHARA RALLY SCHOOLへ参加してみることを勧めた。ラリー経験は全くない。他のレースと違い、ラリーはドライバーとドライバーのドライビングをサポートするコ・ドライバーの二人三脚だ。コ・ドライバーは、助手席に座り、ドライバーが走行する間、競技コースのナビをする。ドライバーはコ・ドライバーからの情報をもとに競技コースを走り続ける。咀嚼するれば、会話をしながらドライビングするという特殊な競技だ。さらにサーキットのように何度もテストを繰り返し、そのコースのレコードラインを極めていくスタイルではなく、ラリーではレッキと呼ばれるレース前日の下見走行でペースノート(走行マップのようなもの)を作成して、いきなりレース本番を迎える。一般道のため路面状況も刻々と変化する。つまり瞬発力と咄嗟の判断力の勝負でもある。もっとも経験の差が勝敗を分けるともいえる。ラリー経験のない木内選手のラリー初戦が全日本ラリーであった。その背景にあるのは、奴田原選手からのアドバイス。どうせ経験を積むなら、最初からレベルの高い舞台で積んだ方が良いと言われた。

NUTAHARA RALLY SCHOOLは、経験者のレベルアップはもちろん、未来ある若手の育成も視野に入れている。若手にとってもっとも大切なのは経験だ。ゆえに木内選手に実戦経験を積ませてあげられる機会を伺っていた。そこからRECARO RALLY TEAM発足とNUTAHARA RALLY TEAMの共同プロジェクトが生まれた。RECAROもまたクルマの未来、モータースポーツの未来、そしてシートの未来を考え、若い人たちにクルマの愉しみ、モータースポーツの愉しみを提供できるような機会を模索していた。RECAROと奴田原選手の想いが重なった。

今年、木内選手は全日本ラリー選手権のJN5クラスへ継続的に参戦する。FF2駆のTOYOTAヤリスだ。「JN5クラスは台数も多いし、レベルも高い。経験を積むにはとても良いクラスである」と奴田原選手は言う。
RECAROもまたこれからひとつづつRECARO RALLY TEAMを築いていく。足りないもの、学ぶべきものをプラスしながら継続的な活動を目指す。


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