Motorsport
TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cupへ参戦する規程車両のTOYOTA 86 Cup Car BasicとSUBARU BRZ Cup Car Basic。メーカー出荷時の専用装備には、ロールケージ、運転席側の6点式シートベルト用アイボルト、運転席側シート交換時のためのエアバッグキャンセラー装着、エンジンオイルクーラー、リヤデフ冷却フィン、そして付属品としてのフロアマットが含まれている。
しかしながらこの状態ですぐにレースに参戦できる状態になるというわけではない。ミッションクーラーの装着、ブレーキキャリパーやブレーキローター、ブレーキパッド、ブレーキライン、ショックアブソーバー(クラブマンシリーズのみ)、そしてタイヤとホイールなどの交換が指定部品として義務づけられている。さらに6点式のシートベルトやフロントとリアの牽引フックなど安全装備も部品指定で購入しなければならない。総額100万円以上は掛かることになる。
さらに交換可能な認定部品として機械式2-Way L.S.D.、デフクーラーやデフカバー、各種ブッシュ類がある。これで50万円〜80万円。またプロクラスにおいては、マフラーとサスペンションがいくつかのメーカーから選択することもできる。車両だけで言うとレース参戦する準備として車両代金に150万円〜200万円ほどが初期費用として掛かってくる。これにレースごとに消耗するタイヤ、ブレーキローター、ブレーキパッド、油脂類の交換などが必要となる。もちろんレースエントリー費用や備品・諸経費・人件費などがさらに計上される。
メーカー車両指定のワンメイクレース。参加型モータースポーツとして幅広いお客様に開かれた門戸ではあるが、実際のところ安く見積もっても年間1000万円(台あたり)ほどは、掛かる計算となる。
モータースポーツは、一般の人が思い描くほど危険なものではない。安全を第一に考え、最優先事項として取り組み、ドライバーも関係者もすべての人が、厳格なルールとマナーに従い、互いに尊重しあいながら行っている。レース参戦に掛かる費用は、自分自身の、そして共に参戦する周囲の人々への「安全への担保」である。ゆえにけして安くはないというのも理解し得ることである。安全に対する義務に準ずるいうこともまたモータースポーツを楽しむためのマナーである。そうした準備から生まれるモータースポーツ。
2022年夏、「TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup」は開幕を迎える。RECARO RACING TEAMも、多くの方に観ていただき、楽しんでいただき、そして興味をもっていただくために安全かつ素晴らしいパフォーマンスでレースができるよう準備します。