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RECAROスポーツシートのスタンダード「SR」モデルが2024年1月末日をもって生産終了になると発表された。RECAROの現行SRとは、SR-6とSR-7、そしてSR-7Fを含む3モデルが対象となる。

RECAROのSR-6、SR-7、SR-7Fは、RECAROがさまざまな特許技術を駆使して開発したIS-05というストラクチャー(シート骨格)から生まれたスポーツシートモデルである。既に廃番となっているコンフォート系に振ったスポーツシートモデルSR-11も存在した。このIS-05ストラクチャーの開発により、RECAROスポーツシートの代名詞SRモデルは、飛躍的に品質と安全性を進化させた。そしてストリートユース系スポーツシートの多様化するニーズにも幅広く適応した。大きく張り出したショルダーサポートが特徴的であったSR-6。SR-6は、フルバケットシートモデルRS-Gと同じショルダー周りのフォルムに設計され、リクライニングするフルバケットシート(いわゆるセミバケットシート)の代表的なモデルであった。そのSR-6の対局としてスポーツシートながらよりコンフォート性能を重視したモデルがSR-11であった。振動吸収性の高い柔らかなウレタンフォームの採用に加えて、ショルダー周りのサポートをゆったりと開放的なフォルムにデザインすることで、スポーツ&コンフォートという新たなジャンルを創り出した。そしてSR-6とSR-11の間のポジショニングで、RECAROのSRを継承する正統進化系として開発されたモデルがSR-7であった。SR-7の開発コンセプトは「タイムレスデザイン」とされ、飽きの来ないデザイン、RECAROのSRを継承する不変的なデザインとして生まれた。

RECAROのSRモデルは、幅広い層と車種に好まれるものでなければならない。スポーツシートを代表するモデルがゆえに、ホールド性能を備えたスポーツドライビングに特化していなければならない。その重量もまた重要である。RECAROの場合は、自動車メーカーの純正シートと異なり、モノコックのストラクチャー(骨格)を有して、身体全体をしっかりと骨格で包み込むように支えることが重要である。これを面で支えるとも言う。そしてRECARO独自で開発する密度の高いウレタンフォームを採用している。モノコックのストラクチャーと密度の高い高品質なウレタンフォーム。この組み合わせは、RECAROがRECAROたる絶対条件である。但し、このいずれもシートの重量を軽量化するのに大きな負担となる。軽量であることが求められるスポーツシートにとって大きな課題となる。RECAROのSRは、それでもあらゆる無駄を削ぎ落とし、進化する軽量化技術を駆使しながら、RECAROがこだわる最も優れた着座性能を実現しなければならない。もっともシンプルで、もっとも難しい。それがRECAROのスポーツシートである。

RECAROのSRモデルは、もっとも多くの人に愛され、選ばれ、そして最も多くの人にRECAROとして認識されるスポーツシートの代名詞である。そのSRを冠したSR-6とSR-7が、2024年1月末日をもって生産終了となる。
RECARO SRの後継は、2024年4月から発売される。SRの称号をもつモデルは、RECAROの代名詞となるモデルでなければならない。誰もがRECAROと認識するモデルでなければならない。そこには必ず変わらず受け継がなければならないものがある。変えてはいけないものを変えずして、それでも進化することが求められる。

2024年1月。SR-6とSR-7の生産終了。
2024年4月。新たな進化系SRモデルの発売開始。

2024年は、世界のスタンダードスポーツシートの歴史が新たに変わる年となる。


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