Motorsport
2024年7月5日〜7日の3日間。北海道のニセコを舞台に全日本ラリー選手権「ARKラリー・カムイ」が開催された。今年初のグラベルラリー(未舗装の道路を使用したラリー競技)である。
RECARO RALLY TEAMは、この全日本ラリー選手権の ARKラリー・カムイでチームとしてのデビュー戦に挑んだ。RECARO RALLY TEAMは、2019年に発足したRECARO RACING TEAMのモータースポーツ活動をさらに広げていくためのもの。RECARO RACING TEAMがベテラン中心のプロドライバーを起用しているのに対して、RECARO RALLY TEAMは若手新人ドライバーの起用からスタートした。これは、RECAROが長年培ってきた国内ラリードライバーの方々とのつながりを新しい形で継続していくためのもの。従って、ラリー競技に参画するにあたっては、アライモータースポーツの新井敏弘選手、ラックモータースポーツの勝田範彦選手、そしてチームヌタハラの奴田原文雄選手など、日本国内を代表する3人のドライバーに指南してもらう形でスタートしたという。クルマの作り方、練習の仕方、チームづくり、若手ドライバーへのドライビング技術の指導など、新たな学びは多岐に渡った。これまでは、「ラリーだったらRECAROのシートはどうなのか」という評価・アドバイスしてもらうことが中心であったが、ラリー競技に参画することで「ラリーとは」から始まり、ラリーの難しさと魅力を学んでいったという。
RECARO RALLY TEAMは、RECARO RACING TEAMを基盤にしながら、「トヨタユナイテッド奈良」にチームのパートナーとなってもらえるよう打診。単なるトヨタ部品の供給ではなく、自動車ディーラーならではの競技車両「GRヤリス」に関する知識と整備技術のサポートが魅力的であった。トヨタユナイテッド奈良にとってもラリーは未知・未経験の世界であった。なぜ未経験のトヨタユナイテッド奈良であったのか?それはRECAROの「モータースポーツを学ぶ」というコンセプトに起因する。RECARO RALLY TEAMは、RECARO RACING TEAM同様に、レース活動を通じて「モータースポーツの世界を学ぶ」という目標がある。ただ、それも知識としてインプットを増やすということではなく「経験から学ぶ」ということが重要だという。従って、しっかりとした準備をして安全を担保してラリー競技に参加するには、経験者からのアドバイスが絶対的に重要となるが、実際にそのアドバイスを実行していくのは、互いにまっさらな状態(未経験)の方が良いと考えた。失敗してもいいからトライする気持ち。常識ではなく正しく理解する。なぜそうするのか?なぜそうなっているのか?未経験だからこそ学べることがある。それがRECAROのモータースポーツの原点である。GR86/BRZ Cupのレース活動で、幾度も知識と経験を共有しながら、互いに協力しあってきたトヨタユナイテッド奈良とであれば、共に学び、前を向いてチャレンジできる。RECAROはそう考えたという。
このようなストーリーを背景に始動したRECARO RALLY TEAMは、ARKラリー・カムイの舞台でラリー競技のデビュー戦を飾った。