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Motorsport

2023年5月13〜14日。TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup 2023の開幕戦が宮城県にあるスポーツランドSUGOで開催された。国内屈指のプロドライバーが参戦するプロフェッショナルシリーズの参加台数は33台。トヨタ系ディーラーやアマチュアドライバーが参戦するクラブマンシリーズの参加台数は41台。計74台のGR86とBRZが開幕戦の舞台に出走した。2019年からスタートしたRECARO RACING TEAMからは、プロクラスへ1台。ドライバーは小暮卓史選手。クラブマンクラスへ2台。ドライバーは、ジェントルマンドライバーの舩井選手と江原選手。計3台となった。

昨シーズン終了からRECARO RACING TEAMは、岡山・富士・菅生などを転々としながら幾度となくテスト走行を繰り返してきた。ドライバーの小暮選手もメカニックも多くの時間を費やしてきた。チームのレース車両をメンテナンスする富士スバルも、オフシーズンでさえ徹底してチームと行動を共にしながら、チームが速くなるために、このチームが強くなるために、全力で支えてくれた。このレースが簡単でないことは嫌というほど味わっている。ゆえにどれだけ準備に時間を費やしても、どれだけチームスタッフが対話を重ねても、このチームに、自分自身に期待する気持ちが、不安を上回ることは容易ではなかった。プレッシャー。そのひと言だった。

「これまでフォーミュラやSUPER GT500のレースにおいても、たくさんのプレッシャーを感じながらレースをしてきた。でもこのワンメイクレースで感じるプレッシャーは相当高い。このレースで勝つということは相当難しい。このRECARO RACING TEAMは、とても多くの方からサポートしていただいている。そしてドライバーである自分のためにチームみんながものすごく頑張ってくれている。テストもマシンのテストではなく、ドライバーが速くなるためのテスト。プロドライバーとしてこのような環境でレースができることにとても感謝している。その分、プレッシャーも感じている。みんなのため、自分のため、何とか良い結果で恩返しがしたい。この難しさとプレッシャーを乗り越えて、良い結果につなげたい」と語る小暮選手。若い頃、がむしゃらに「もっと速くなりたい」と戦っていた頃を思い出すという。

開幕戦。小暮選手の結果は、33台中22位。昨年までのチームであれば、絶望的な深みに嵌っていただろう。悔しい。ただ悔しい。と苦しんだであろう。でも今年のチームは、このチームは、悔しい気持ちは変わらずも、この結果を踏まえて「次は何しよう」「何が足りない」そう前を向いている。前だけを向いている。決勝前も、決勝後も、この後、明日から何をどうしよう。スタッフ同士が知恵を出し合う。次のレース。その次のレース。いやもっと先かもしれない。でもまだまだチームとしてやるべきことがある。やりたいことがある。それが本音だ。我々は、このチームで、このメンバーで、もっと努力しよう。もっと強くなろう。もっとたくさん話をして、もっとたくさん考えて。次に進もう。そう考えている。最高のチームである。最高のメンバーである。いつか必ず高い場所へ登る。これがモータースポーツである。ひとりではできない。全員で戦う。それぞれが、それぞれのやるべきことをする。RECARO RACING TEAMが結成から4年の時を経て学んだもの。強いチームへ成長するために。

共に戦ったジェントルマンドライバーのふたり。ワンメイクレースの経験は豊富なふたり。良い結果を求めて限界を越えようとする想いは、けしてプロにも負けていない。レースは楽しくないとだめだ。でも結果も残したい。その熱い気持ちは、このチームに必要不可欠である。

まだ開幕戦。次の2戦は、オートポリスともてぎという共に難しいコースである。その先にある十勝。岡山。それまでに何とか強くなろう。全員で強くなろう。

TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup 公式ホームページ


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