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RECAROシートが本当のクルマ好きの間で「憧れのアイテム」というのは、今も昔もまったく変わらない。その昔、「いつかはクラウン」という言葉がCMのキャッチコピーに使われ、世の中の大人の男性を魅了した。クラウンに乗っているのは、成功した企業の社長や役員ばかりだという時代があったからだ。それと同じように「いつかはRECARO」という時代があった。RECAROのシートは高くて変えない。クルマ好きの人達はみんな誰もがRECAROだ。RECAROが買えないから、仕方なくRECARO以外のシートで、それとなくスポーツカーを、チューニングカーを演じていた。そういう時代もあった。今は、当時よりも手の届く価格帯のモデルがラインアップされるようになった。真っ赤なスポーツシートやフルバケットシートではなく、たくさんの機能がついた贅沢なシートではなく、SR-7やLX-Fといった運転中の身体に負担がかかっているという人が気軽に選択できるモデルも多くなった。
その一方で、今も贅沢を超える超ハイスペックなモデルもRECAROのラインアップには存在する。それがSP-X Avant。ニュルブルクリンクのサーキットでテストを繰り返し、田中哲也選手やミハエル・クルムなど超一流のプロドライバーを唸らせた高強度・高剛性のドライカーボン・バックシェルを構造にもち、ウレタンフォームや表皮も最高グレードを採用したモデルだ。1脚、884,400円(税込)。軽自動車が買えるかもしれない価格。もっとも贅沢なスポーツシート。ただ実際に座ってみると、何とも言えない質感、感覚、安心感がそこにある。クルマに乗り込む時、ちらっと覗くドライカーボンの美しさが本物にしかない輝きを放つ。
シンプルなデザイン、シャープな赤のライン、完成されたフォルム。いつかはRECARO。最高の贅沢がそこにある。