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戦闘機や飛行機に採用されている技術と同じカーボン素材を採用したRECAROのSP-X Avant。RECAROがラインアップする現行モデルの中で、素材・品質・性能のすべてにおいて最も高い技術を採用しているのがこのSP-X Avantである。

俗にいうカーボン素材とは、正式には炭素繊維強化プラスチック(CFRP: Carbon Fiber Reinforced Plastics)と言う。エポキシ樹脂やフェノール樹脂などに、炭素繊維を複合して強度を向上させた強化プラスチックである。樹脂と繊維を複合することで強くて軽い素材に変えることができる。樹脂が多くなってしまうと「ただ硬い」だけのもので重くなってしまう。繊維が多くなってしまうと「ただ軽い」だけで弱くなってしまう。用途に合わせて樹脂と繊維のバランスを取ることで、それぞれに必要な性能を発揮する。この炭素繊維の変わりに安価なガラス繊維を使用したものもある(GFRP)。

このCFRPとGFRPの加工技術にはさまざまな製法がある。型を使って人が手で成形するハンドレイアップや圧力容器のような高圧下の大型設備で熱硬化させるオートクレーブ。さらにプレス成形、RTM成形(樹脂注入)、射出成形などさまざまである。

RECARO SP-X Avantでは、バックレスト(背もたれ)にオートクレーブ成形のCFRPを採用している。RECAROシートのように人間工学に基づく3次元の複雑な形状をしている場合、もっとも高度な成形技術を要する。さもなければ、見た目・素材は同じであっても「ただ硬いだけ」「ただ軽いだけ」のものになってしまう。オートクレーブ成形には、大きな設備と成形するまでに多くの時間を必要とする。けして大量生産型ではないため生産コストも高くなってしまう。しかしながらオートクレーブ成形では、樹脂と繊維を熱硬化する過程で余分な樹脂と空気を十分に飛ばすことができることから3次元の複雑な形状をもつRECAROシートにような製品においても高品質な複合素材に仕上げることが可能となる。

自動車用シートは、競技用であっても、日常的なシチュエーションで使用するものであっても、安全性のための強度と身体にかかる負担を軽減する適度なしなやかさと強さを併せ持つ質の高い剛性が求められる。座った瞬間に感じることは難しいかもしれないが、長距離・長時間運転することでこのストレスの違いを感じることもできる。

30年以上もの間、世界で日本国内で戦い続けているラリードライバー新井敏弘選手は、「RECAROの競技用シートは、驚くほど疲れない。他のメーカーのシートとでは疲れ方が全然違う。ラリーのように数日間にわたり長い距離を集中して走り続ける。少しでも集中力が途切れるとコースアウト、クラッシュする危険性が伴う。身体への負担が少ないということは、競技中も運転に集中することができるし、選手としても長く競技生活を続けることができる。この疲れないというのはRECAROにしかない」と語る。

強くて、しなやかで、安全かつ高いホールド性能を発揮し、身体に掛かる負担が少ない。疲れない。これがRECAROの素材および生産技術である。長年培ってきたRECAROの高品質・高性能なシート開発技術が詰まったモデル。それがRECAROスポーツシートの最高峰となるSP-X Avantである。


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