RECARO
ポルシェ社の創業者フェルディナンド・ポルシェとその息子のフェルディナンド・アントン・エルンストン・ポルシェにより、ポルシェ356の開発がはじまったのが1940年代。
プロトタイプから少量生産がはじまった頃は、終戦後の混乱期。ポルシェ社は生産拠点と生産台数に頭を抱えていました。そこでポルシェ社は、ロイター社(ロイター・シュトゥットガルト製造会社の略)の敷地を間借りするようになる。
ポルシェ社は、ヨーロッパのあらゆる自動車メーカーが車体および内装の製造を受託していたロイター社へポルシェ356の車体製造を委託。ポルシェ356の後継車としてポルシェ901の開発が始まると、プロトタイプの製造もまた委託。
ポルシェ901の開発が進むと同時に、ロイター社の生産拠点の一部をポルシェ社に売却するという話が進んだ。
当時、自動車メーカーが、エンジン、シャシーから車体に至るまでを一貫生産するというのが主流になっていたこともあり、ロイター社は、車体製造の継続ではなく、自動車内装部品のシートのみを開発および製造する会社になる道を選択。
社名のロイター(Reutter)と車体製造(Carrosserie-Werke)の頭文字を取りRECAROに社名を変更。世界初の自動車用シート専門メーカーが誕生した。
1963年、ポルシェ社がフランクフルトモーターショーでポルシェ901のプロトタイプを発表。その翌年に量産開始。RECAROは、ポルシェ901のシート開発と同時に、RECAROのブランドを有する世界初のスポーツシートを開発。それ以降もRECAROは、長きにわたりポルシェ社のシート開発および製造を続け、やがて自動車メーカーの量産車に供給する世界中のシートメーカーで、唯一ブランドを有するメーカーにまで成長した。