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クルマ好きが集まる隠れ家 ザ・ヴィジット

RECARO

誰もが知る時計の世界的ブランド「Rolex」創業は1905年。創立者の名は、ハンス・ウイルスドルフ。当時24歳。ロンドンで時計専門の商社を設立し、"手首に着用する時計"という新たな文化の構想を描いたという。その当時の腕時計と呼ばれたものの多くは、精度に欠けていたが、ハンス・ウイルスドルフは、時計とは信頼性(=精度の高さ)であるという信念のもと、大いなる技術革新の道を歩み始めた。

スイスにある高精度なムーブメントを搭載。高精度な機械式時計」の証として時計の精度と品質を客観的に保証するスイス公式クロノメーター検定協会(COSC)が認定する「クロノメーター」の称号を取得。防水性と防塵性を備える世界初の腕時計を開発。世界初の自動巻メカニズムを持つ、特許取得のパーペチュアルローターを開発。そしてRolexは、その歴史の中で、1930年代に世界最速ドライバーのひとりと言われたサー・マルコム・キャンベルやエベレスト初登頂のイギリス登山隊を率いたサー・ジョン・ハントといったプロフェッショナルな人々の活動を「刻を刻む」腕時計によって支援したとされている。オイスター、デイトナ、GTMマスター、サブマリーナといったRolex腕時計の各名称は、単なる名詞ではなく、Rolexが新たな時代を、文化を刻みつけた「称号」である。創立者ハンス・ウイルスドルフの精神は、所有者の刻を刻み、所有者と共に生きる「腕時計」の進歩・進化に注がれた。

RECAROの創業は1906年。Rolexの翌年である。創業者は、ヴィルヘルム・ロイター。当時32歳。今日の自動車の原型が発明された時代に、コーチビルダーとして欧州を中心としたあらゆる自動車メーカーの自動車ボディ(内装含む)を製造していた。ポルシェの901ボディやフォルクスワーゲンのビートルなどが有名である。しばらくして1963年に世界初となる自動車用シートの専門製造メーカー「RECARO」を誕生させた。ヴィルヘルム・ロイターは、「近い将来、自動車にとってシートの価値がとても大切な時代がくる」と予見していたという。シートの価値とは、安全性であり、快適性であり、自動車のある生活を豊かにするために欠かせない存在と信じていたという。故にRECAROは、今日の自動車用シートの礎となるさまざまな機能・性能・そして哲学を独自に生み出した。ヘッドレスト、サイドサポート、ランバーサポート、リクライニングなどに始まり、人間工学を取り入れたエルゴノミクスを冠するモデルを開発した。そのシートに対する唯一無二の哲学は、航空機用のシートや、船舶用のシート、スポーツスタジアムのシートやチャイルドシートなどの分野にまで広まっていった。自動車メーカーが純正採用するシートに世界で唯一ブランドを有するのがRECAROである。

RECAROのシートは、他のシートメーカーと何が違うのか?と問う人がいる。全くの愚問である。Rolexが他の時計メーカーと何が違うのか?ルイ・ヴィトンが他の服飾メーカーと何が違うのか?そしてポルシェが他のメーカーと何が違うのか?

歴史とブランドに対する信頼性である。豊かな創造力と卓越した信念のもと、遥か遠い未来に夢を抱いて時代を切り開いた歴史。そしてブランドの向こう側にある信頼性にある。受け継がれるべきDNAは唯一無二のものである。


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