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RECAROのフルバケットシートをつけたいけれど、PRO RACER RMSにするか、RS-Gにするか、何を基準に選べば良いのか?参考までに説明しよう。
スパルタンでかなり強烈なオーラを放つRECAROのRMS。一方で、馴染み深くフルバケのイメージそのままのRECARO RS-G。一体、どんなことを考えて選択するのが正解なのか?それぞれのモデルの主な特徴を例に紹介する。

<RECARO PRO RACER RMS>
ぱっと見のRMSは、ごつごつしてかなり堅そう。身体が痛くなりそうだと思う。実際に座った感じは「あれっ思ったよりホールド感がない」。多くの人が「RECAROはドイツのメーカーだからサイズ感が大きい。日本人向けではない」と大きな間違いをしがちである。
→ RMSは、どうちらかというと競技専用モデル。サーキット走行に求められる性能を追求している。その性能とは、情報量の多さである。路面の状況、タイヤのグリップ感、マシンの挙動、それらの情報が限りなくダイレクトに伝わることを狙いとしている。RMSであれば、これまで限界領域と思っていたラインを容易に超え、もうひとつ上のクオリティでマシンをコントロールできる。確実に走行タイムをアップすることができる。
では、なぜサイズが大きいと感じるのか?従来のフルバケシートには、スポンジのようなウレタンフォームが人間の体とシート骨格(シェル)の間に存在する。このウレタンが40〜60mmほどだったりする。サーキット走行中にGが掛かると、身体がこのウレタンフォームを潰していく。潰した先の骨格が壁となって身体をホールドする。このプロセスと潰れたウレタンフォームの存在が、情報のダイレクト感を阻害する。情報を感じて、反応して、操作するまでにタイムラグが生じる。仮にコンマ1秒のタイムラグだったとしても10個のコーナーがあれば単純計算で1秒遅れてしまう。コーナーを3つの動作に分けてそれぞれがコンマ1秒ロスであればトータルで3秒の差となる。
ただ、このウレタンフォームがなければ身体に掛かる負担は大きくなる。でもこのウレタンフォームから生じるダイレクト感の損失を改善したい。そこで生まれたのがRECAROオリジナル素材のISFパッドである。10〜20mm程度の厚みで、短いストロークで、驚くほどの振動吸収性と体圧分散性を発揮する。つまり面でしっかりと身体を支え、振動や衝撃をしっかりと吸収し、かつダイレクト感を一切阻害しない。これがRMSの最大の武器である。座った時に「サイズ感が大きい」と感じるのは、RMSのパッドの位置は、従来のウレタンフォームが潰れた位置と同じ位置にあらかじめレイアウトされているからである。故にRMSの上手な使い方としては、次の操作を予測してしっかりと身体をISFパッドに当てにいくということを試してほしい。そうすると異次元のインフォメーションが身体で感じられるようになる。

<RECARO RS-G>
RS-Gもまたサーキット走行をコンセプトにデザインされたモデルではあるが、ストリート走行も重視している。つまり自宅からサーキットまで自走して、サーキットも走れて、身体に一切負担が掛からない。それがRS-Gである。そのために公道走行でも身体が痛くならない品質の高い、厚めのウレタンフォームを纏っている。当然、優れた振動吸収性と耐圧分散性を備えている。座った瞬間、しっかりとホールドされているという「安心感」がある。シート骨格(シェル)も、ただ硬いだけではなく、適度なしなりをもっている。シートをマシンのボディに取り付ける側(シートの底部)は、しっかりと強度を出して、骨盤周りを支える骨格も剛性を確保。背骨のある背中、頭部を守るヘッドレスト周辺には、ほんのわずかな「しなり」をチューニングしている。どこに強度と剛性を持たせて、どこで抜くか、RECAROにしかない価値である。それがサーキットなどのスポーツドライビングであったとしても、正しい着座姿勢を保持して、身体に掛かる負担を軽減する。そのRECAROのシート哲学は、一切妥協されていない。

ひとことで言うならば、公道とサーキットを併用するのであれば、躊躇なくRS-Gを選択。サーキットでのドラビングのクオリティを高めたい。タイヤでもブレーキでも、パワーユニットでもなく、自らのドライビングでタイムを縮めたいと思うのであればRMSを選択。

RECAROがラインアップするモデルの、それぞれのキャラクターの違いはとても奥が深い。人の身体に触れるものだけに、それぞれ人によって感性が異なる。もっと詳しく知りたいという方は、RECAROの正規取扱販売店までご来店ください。


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