RECARO
RECAROの創業は1906年。当時32歳の馬具職人ヴィルヘルム・ロイターが、ドイツのシュトゥットガルトに自動車を製造する会社"ロイター"を創業。
1910年には、ロイター・シュトゥットガルト車体製造会社へと商号を変更し、本格的に自動車の車体および内装を製造するコーチビルダーとなった。独創的な感性で馬具をモチーフとした車体デザインやコンバーチブル(のちに特許取得)などを生み出したロイターは、瞬く間に"コーチビルダー"としての高い名声を得るまでになった。
当時は、今で言う自動車メーカーがエンジンからシャシーまでを、コーチビルダーが車体から内装までを設計・開発していた。ロイターは、ダイムラー、メルセデス・ベンツ、マイバッハ、BMW、ホルヒ、フィアットなどヨーロッパのあらゆる自動車メーカーから車体および内装の量産を受注するようになった。ポルシェ社の創業者フェルディナンド・ポルシェと深い関係にあったロイターは、フォルクスワーゲンビートルのプロトタイプ製造やポルシェ356のプロトタイプ製造および量産も受注していた。
第2次世界大戦の後、自動車メーカーがエンジンから車体までを一貫生産するのが主流になるにつれ、ロイター・シュトゥットガルト製造会社もまた新たな時代へと移り変わること。1963年、半世紀にわたり車体および内装を製造してきた拠点の一部とそこで働く従業員をそのままポルシェに売却することを決断(今なお、ポルシェ博物館の向かいにあるポルシェ911の生産拠点ツッフェンハウゼン工場内に現存)。そしてロイター・シュトゥットガルト製造会社は、自動車内装部品のシート開発および製造のみを供給する世界初のシート専門メーカーとなる道を選択した。
こうして当時の社名(Reutter Carrosserie-Werke)の頭文字を取ったRECAROが誕生することになった。