Carlife
Mazdaが型式NDのロードスターを販売開始して以来、純正採用されているRECAROシートはマツダファンの間でも高い評価を得ている。自動車メーカーの純正RECAROのみならず、NDロードスターに後付けでRECAROシートを選択されるというオーナーも急増している。その理由は、RECAROがこれまでのRECARO純正ベースフレームの標準的設計方法を変更して、構造上にひと手間、ふた手間かけていることで、シートポジションの調整幅が広がったというのが大きい。これはMazdaロードスターに限らず、これまで室内パッケージに何らかの制約が多い車種に対しても順次工夫を重ねて改良している。
Mazdaロードスター(ND)向けのRECARO純正ベースフレームは3種類。RMS、 RS-G、RCSのモデルが対象である。いずれもフルバケタイプというリクライニング機能を持たないモデル。ただRCSに限っては、フルバケという構造ではあるが、そのコンセプトおよび着座フィーリングは驚くほどコンフォートタイプのシートである。スポーツシートのフルバケ的な強いホールド感(人や用途によっては窮屈)ではない。とてつもなく快適だ。
この3種類のベースフレーム。それぞれが、着座位置(角度、高さ、左右のオフセットと前後のスライド位置)とシートバックバー(ヘッドレスト後方のベゼル)やセンターコンソールとの干渉、そしてステアリングやペダルとの距離など。どこにストレスを感じて、どこをトレードオフできるか。そのバランスを考慮して調整できる範囲を条件づけている。
パッケージに制約のある車種なので、身長などによって100%満足いただけない場合もあるが、それでも安全かつ快適な着座位置を考えて、調整できるようになっている。
幸い、Mazdaロードスターのようなタイプのクルマを好まれるお客様は、パーソナルユースの方やスポーツドライビングを好まれる方も多いことから、フルバケタイプの選択もそれほど珍しい話ではない。RECAROが用意するラインアップ(RMS、RS-G、RCS)の3タイプは選択の幅として非常にバランスが良い。
ひとつの例として高身長(185cmほど)の男性が、Mazdaロードスター(ND)の運転席シートを純正からRECAROのRS-Gに変更した。それまで純正シートでは、目線が高く、ルームミラーが左前方の視界を遮ってしまっていた。左方向へ曲がる時、首をかしげて覗き込まなければ前方が見えなかったそうだ。またルームミラーで後方を確認しようとする時も、頭を大きく動かして覗き込まなければならなかったようだ。しかしながらRECAROのRS-Gに変えてから、左前方の視界確保。ルームミラーからの後方視界も運転姿勢のまま頭を動かすことなく確認できるようになった。運転中に前方や後方を確認するのに身体を大きく動かしていれば、目線を大きく動かしていれば、それだけ注意すべきところを注意できなくなってしまう可能性もある。けして安全運転とは言えない。
RECAROシートにすることで、より快適に運転を楽しめるようになる。正しい運転姿勢で長距離・長時間走行できるようになるだけではなく、その正しい運転姿勢が安全運転にも大きくつながるということである。
RECAROの小さな工夫。ひと手間。ふた手間がお客様の快適なカーライフをサポートできるようになる。Roadster x RECARO。素晴らしいパッケージである。